2021.06.23
「温水式床暖房ってなに?詳しく教えて!」
「温水式床暖房ってどういうものなんだろう?」
「温水式床暖房っていっぱいあるけどどれを選んだらいいんだろう?」
とお悩みの方はぜひこの記事をご覧ください。
床暖房の中では現在主流となっている温水床暖房。
種類も豊富でいろいろな会社から販売されています。
本記事では
●温水式床暖房とはどのようなものか?
●温水式床暖房の種類を網羅
●各種類のランニングコストやメリット・デメリット
をご紹介します。
1 温水式床暖房の仕組みと種類
現在、床暖房の主流となっている「温水式床暖房」。その仕組みや種類をご紹介します。
温水式床暖房の基本的な仕組み
温水式床暖房は、床下に配管を通してその配管の中を温水が通ることで床を温めます。
温水により床を温めるため「温水式床暖房」といいます。
なお、この温水を作るための機器を「熱源機」といいますが
ここの種類により「ガス式」や「ヒートポンプ式」など変わります。
この熱源機によりランニングコストや温まり方が異なります。
また、温水式床暖房の弱点としてこの熱源機が必須ということで、熱源機を置くスペースが必要となります。
小さなサイズのものもありますが場合によっては置くことができない住宅もあります。
床暖房の種類
まず床暖房には大きく分けて3つの種類があります。
種類 | 特徴 |
温水式床暖房 | 本記事で紹介する床暖房。現在床暖房の主流となっている。床下に温水配管を通して温水の力で床を温める。ランニングコストや初期費用は安め。 |
電気式床暖房 | 床下に電気パネルを敷き、電気パネルが温まり床暖房が実現する。温水式のように温水を作る装置が不要なため、省スペースでの設置が可能。初期費用は安めだが、ランニングコストが高くつきやすい。 |
遠赤外線式床暖房 | 電気式のように床下に遠赤外線を発するシート状の発熱体を敷き、遠赤外線の力で床を温めて床暖房を実現する。コントローラーのみで稼働し、遠赤外線効果で床が自己発熱することでランニングコストが安く抑えられるのが特徴。健康を売りにしているものもある。 |
さらに、温水式床暖房の中に以下の3つがあります。
種別 | 特徴 |
ヒートポンプ式(電気) | ヒートポンプ(エコキュートと同じ原理)を利用して温水を作り出す方式。自然の力(二酸化炭素)を活用するのでエコな床暖房。 |
ガス式 | ガス燃焼による火力で温水を作り出す方式。火で直接温水を作るので温水の出来上がりが早い。 |
灯油式 | 灯油燃焼による火力で温水を作り出す方式。火で直接温水を作るので温水の出来上がりが早い。 |
2 温水床暖房3つのメリット
現在主流の床暖房である温水式床暖房のメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
温水式床暖房のメリットその1
温まりが早い
温水式床暖房は床下にある配管内に温水が通れば床が暖かくなるため、床の温まりが早くなります。
特に直接火で温水を作るガス式や灯油式の床暖房は温水が出来上がるのも早く、さらに効率的に温まります。
床が快適な温度になるまでの時間 | |
ガス式・灯油式 | 45分程度 |
ヒートポンプ式 | 1時間程度 |
温水式床暖房のメリット2
ランニングコストが安い
温水式床暖房は温水を作る部分の光熱費がかかるのみです。
さらに、早く温まるので光熱費が抑えられます。
特にガス式や灯油式は電気のように時間による値段の変動がないため、
1日中どの時間に使っても高い、安いというものがなく使いやすいです。
温水式床暖房のメリット3
床下の故障が少ない
温水式床暖房は床下にあるのは配管だけ。
もちろん配管に電子部品等は使用していないのでほとんど故障することがありません。
床下が故障してしまうと床を全て剥がして調べることになってしまうため、故障しないのは嬉しいところ。
温水式床暖房が故障する主な箇所は温水を作るための熱源機になります。
こちらは外に出ているため故障しても修理は簡単です。
ただ、修理費用はそれなりにかかることが多いようです。
床暖房の寿命は一般的に30年と言われており、床暖房は基本的に冬の期間しか使用しないため
10年以上は故障なしということがほとんどです。
ただし熱源機が故障した場合は20~30万円ほどかかるようです。
3 温水式床暖房を比べてみました
ヒートポンプ式、ガス式の2つについて比べてみました。
灯油式温水床暖房もありますが、ガス式とほぼ同様になります。
1、初期費用
ヒートポンプ式 | △ | ヒートポンプの費用がガス給湯器に比べると高め。約2倍程度。
Panasonic製温水式床暖房 8畳:約75万円 |
ガス式 | 〇 | ガス給湯器はヒートポンプの約1/2程度で導入可能。
リンナイ製温水床暖房 8畳:約60万円 |
2、温まりの早さ
ヒートポンプ式 | △ | 自然の力で温水を作るため少し時間がかかる。床面が適温になるまでには約1時間程度。 |
ガス式 | 〇 | ガスの燃焼力で温水を作るためすぐに温水が出来上がる。床面が適温になるまでは約45分程度。 |
3、ランニングコスト
ヒートポンプ式 | 〇 | ヒートポンプ式は自然のエネルギーを使って温水を作るため電気も大きく使用しない。 |
ガス式 | △ | 床暖房に利用する温水は全てガスの燃焼により作られるため光熱費は高めになりがち |
ランニングコストの目安(ガスや電気の契約条件や地域、住宅の状況により異なります。)
畳数 | ヒートポンプ式 | ガス式 |
8畳 | 2800円 | 3710円 |
10畳 | 3900円 | 4640円 |
12畳 | 4900円 | 5570円 |
16畳 | 6500円 | 7420円 |
4、エコ具合
ヒートポンプ式 | 〇 | 電気の力より自然の力を利用して温水を作るため大きくエコに貢献 |
ガス式 | △ | ガスの燃焼により温水を作り出すので天然資源を使ってしまうことに |
5、熱源機スペース
ヒートポンプ式 | ✕ | エコキュートのような大型機械が熱源機として必要となる。熱源機を置くスペースを確保しなければならない |
ガス式 | 〇 | よくある室外機型の給湯器のため、スペースはあまり多くとらない |
少しでもランニングコストを抑えたい方はヒートポンプ式を、
温め性能を重視するならガス式を選ぶとよいと思います。
4 温水式床暖房Q&A
温水式床暖房を導入・設置を検討する際によくある質問をまとめました。
Q 温水配管は何年使用できるの?
A 樹脂管の場合、メーカーによって異なりますが実使用期間で
およそ30~50年の耐久性能は確認されているようです。
また樹脂管の場合は結露などの心配もありません。
Q 温水配管から水は漏れないの?
A 基準通り施工されている場合には、通常水漏れはありません。
ただ、床にくぎや鋲を打った場合に、それが床仕上げ材を突き抜けて温水パイプまで達すると水漏れが発生します。
Q 温水床暖房はどれくらいの面積に敷けばいいの?
A 温水床暖房は足元、室内全体を同時に暖める暖房機器です。
設置面積が狭いと部分的に冷たい床ができてしまうだけでなく温水床暖房だけで室内を暖めることができません。
広く設置すればそれだけ快適性能は向上します。目安として床面の70%程度の設置がおすすめです。
Q やけどの心配はないの?
A 低温やけどの心配は極めて低いです。
ただ、皮膚の弱い方など個人差によって低温やけどを引き起こす可能性は否定できません。
低温やけどは比較的低い皮膚温を長時間継続することによって発生します。
一般に皮膚温45℃が3時間程度継続することで発生すると言われています。
温水床暖房はお湯によって熱を搬送し熱伝達によって床表面を加熱します。
人や物によって床表面が閉塞された場合は床から室内への放熱が抑制されるため床表面温度が上昇しますが
お湯と床表面との温度差が小さくなるため熱伝達量が抑えられ、結果として床表面温度はそれほど上昇しません。
直接皮膚を長時間接しないようご注意ください。
5 さいごに
温水式床暖房の種類やメリットについてご理解いただけましたでしょうか?
現在主流の温水式床暖房ですが、ガス式及びヒートポンプ式ともにメリットやデメリットがありますので
あなたに合った床暖房をご導入していただければと思います。
初期費用やランニングコスト、温まりの遅さなどが原因で敬遠される方もいらっしゃいますが、
床暖房はエアコンやストーブと異なり「乾燥がおさえられる」「ほこりが舞わない」「火が見えていなくて安全」など
暖房機器としては安心、安全の製品ですので、ぜひ検討してみてください。