2021.11.11
世界の暖房事情
日本は春夏秋冬の違いを楽しめるとてもいい国です。
ですが、世界には一年中寒い国がたくさんあります。
日本以上に平均気温が低い国々に住んでいる人々は、どのように寒さから体を守っているのでしょうか??
今回の記事では豆知識的に、世界の暖房事情をご紹介したいと思います。
アジア圏
アジア圏では、特に中国や韓国の寒冷地域では「オンドル」と呼ばれる床暖房が有名です。
オンドルとは生活で発生した煙を住居空間の床下に通し、床を温める伝統的な方法です。
現代では温水式床暖房が一般的に使用されていいますが、ガスや電気タイプのオンドルなども登場してきています。
また、中国東北部の寒い地域では「暖気(ヌアンチー)」と呼ばれる暖房機器が普及しています。
(出展:中国生活ブログ様)
管の中に温水を流して室内を温めます。
この暖気は東北部ではほとんどに家に設置されており、また職場や学校などいった施設にも完備されています。
ちなみにこの暖気(ヌアンチー)は、なんと「市や区が有料で提供」しているのです。
中国では石油ストーブやファンヒーターなどの暖房機器の使用が禁止されているので、公的に設置しているのかもしれません。
現地の方は暖房が必要な期間に前払いで「ヌアンチー代」を支払って使用することになります。
しかし、マンションなどでは使用者が一人でも支払をしないとマンション全体で暖気が使用できなくなるといった処置もあり、中国での生活には欠かせないライフラインです。
セントラルヒーティングみたいなものですね。
北欧諸国
ノルウェーやスウェーデンといった北欧諸国は、日本より断然寒い地域というのはご存じでしょう。
その北欧諸国の建物は「セントラルヒーティング」を使っているものが多いです。
セントラルヒーティングとは建物の地下室などにボイラーを設置し、各部屋に備えてあるラジエータ(温水パネル等)を通して暖かくしていくシステムです。
北欧では基本的に家賃の中に暖房費が含まれるので気にせず暖房を使えます。
また、外気が一定の気温になると自動的に暖房が入る仕組みになっており、自宅内全体が24時間常に20度~22度程に保たれるようコントロールしてくれるという優れものです。
日本では、特に北海道で普及しています。
ロシア
ロシアもとても寒いイメージのある国ですね。
どのように暖かい空間を作っているのでしょうか。
ロシアもほとんどの建物でセントラルヒーティングが採用されています。
しかし、北欧諸国との大きな違いは「公共施設で管理」しているところです。
これは北欧諸国などでは個人間でボイラーがあるのに対し、ロシアでは発電所の排熱を利用するためです。
また、寒いロシアには不可欠なこのシステムですが、なんと「5日間連続で8度以下」にならないと運転が開始されないようです。
いくら寒い日が続いても、例えば「4日連続8度で、5日目に10度になったら」セントラルヒーティングはまだ稼働しない…
SNS上では毎年秋口になると「暖房が点いた・点かない」のツイートで賑わっています^^;
さいごに
やはり年中寒い国や地域では、国が率先して暖房機器を施設に導入しているところが多いですね。
ちなみに「日本でももっとセントラルヒーティングを導入すればいいじゃん」という声もあるようですが、湿度の高い夏の存在や、セントラルヒーティングは使う人も使わない人も共通で料金を取られるため、なかなか導入が進まない事情もあるようです。(北海道など寒い地域では増えています)
ただ、体を冷やすことは免疫力の低下や病気に直結するので、様々な暖を取る方法を模索していくべきだと思います。